ご存知ですか?生活習慣病
生活習慣病とは、食事、運動、休息、タバコや飲酒などの生活習慣が、発症に深く関与している疾患のことです。
代表的なものとして糖尿病、高血圧症、高脂血症、動脈硬化症から、その結果として起こりうる脳卒中や心筋梗塞といった重大な疾患も含まれます。
また肺がんや大腸がんなどの悪性腫瘍、肺気腫などの呼吸器疾患、認知症などの神経疾患もその発症に生活習慣が関与していると考えられています。
また日本人の死亡者の中で喫煙が関与するのは年間13万人、高血圧は10万人、運動不足は5万人と言われており、非常に多くの方が生活習慣により亡くなっています。
ここでは生活習慣病とはどのような病気で、なぜ問題なのか、そしてどのように予防するかについて考えていきましょう。
参考記事:各種健康診断
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目次[▼表示]
生活習慣病になりやすい習慣
- タバコを吸っている
- 脂っこい料理や塩分の多い食事
- おやつやお菓子など間食が多い
- あまり運動しない
- お酒を毎日2合以上飲む
- きちんと睡眠時間がとれていない
代表的な生活習慣病
高血圧
血管のなかには常に血液が流れていますが、血液が血管壁を押すときの圧力を血圧といい、心臓から出る血液量や血管の硬さなどで決まります。
その血圧が基準を超えて高くなっている状態を高血圧と言います。
年齢や疾患によって目標となる血圧値は変わりますが、一般的には上の血圧(収縮期血圧)140㎜Hg以上、下の血圧(拡張期血圧)90㎜Hg以上を高血圧と呼んでいます。
ただ、血圧が低いほど心臓や脳血管にかかる負担は軽減するので、収縮期血圧120未満、拡張期血圧80未満を正常血圧と呼ぶこともあります。
糖尿病
血液中の糖分(ブドウ糖)が高い状態が続き、全身に影響を与えてしまう状態を糖尿病と言います。
血糖を下げるのは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンですが、糖尿病ではインスリンの分泌量が低下する場合と、運動不足や肥満などでインスリンが効果的に働けない場合(インスリン抵抗性)があります。
糖尿病を長期に放置すると、糖尿病性網膜症で失明を来したり、糖尿病性腎症で血液透析が必要になることがあります。
脂質異常症/高脂血症
血液中の中性脂肪やコレステロールが異常値を示すことを脂質異常症と呼びます。
脂質にはコレステロールと中性脂肪があり、コレステロールには動脈硬化を促進させるLDL⁻c(悪玉コレステロール)と、動脈硬化を抑制するHDL⁻c(善玉コレステロール)があります。
中でもLDL-cは全身の血管に蓄積し、炎症を引き起こすことで血管壁にプラークと呼ばれる肥厚を形成し、最終的に血管を閉塞させることもあります。
動脈硬化症
高血圧、糖尿病、脂質異常症などが原因で血管に傷がつき、それが充分修復されずに放置されると、その部位の血管のしなやかさが失われ硬くなります。
また、血管壁にLDL⁻cの沈着によるプラークを形成すると、血管が狭窄します。
これらの変化を動脈硬化症と呼び、その結果として血管が破れたり、詰まったり、裂けたりすることで生命を脅かす疾患を引き起こします。
具体的には脳出血/脳梗塞、狭心症/心筋梗塞、大動脈解離、下肢閉塞性動脈硬化症などがあげられます。
生活習慣病を予防するために
生活習慣病はその名の通り生活習慣と密接に関わっており、その習慣の改善が治療の第一歩になります。
長年に渡る習慣を変えるのは容易ではありませんが、長い人生を考えた時に自身の生活全般を見つめ直すのは、得られるものが多くとても有益だと思います。
禁煙 | 喫煙されている方はできる限り禁煙しましょう。 タバコの煙からは70種類以上の発がん物質が検出されており、肺・咽喉頭・食道・膀胱などのがんや、肺気腫、脳卒中、心筋梗塞などの疾患発生と関わっています。 喫煙が原因で毎年13万人近い方が亡くなっており、寿命を縮める最も大きな原因と考えられています。 なお新型タバコ(非燃焼・加熱式タバコ)の長期的な影響はまだわかっておりませんが、有害成分が多数検出されており、タバコ同様の健康被害をもたらす可能性があります。 |
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適正体重の維持 | 適正体重は身長と体重で計算されるBMIが22の状態で、最も病気になりにくいとされています。 適正体重は[身長(m)]2×[体重(㎏)]×22で計算され、身長165cmの場合1.65×1.65×22=60㎏になります。 適正体重まで戻すためにはバランスの良い食事と適度な運動が重要ですが、まずは毎日体重を測ることで、その日の食事・運動の過不足を把握しましょう。 なお体重1㎏を減らすのに必要なのは7000kcalで、1カ月かけるとすれば1日当たり240kcalを食事で減らすか、運動で消費する必要があります。 |
バランスの良い食事 | 食事量は普段の8割程度にし、またゆっくり食べることで満腹感を感じやすくなります。 野菜や食物繊維を多くとりましょう。 特にひじきやおから、きんぴらごぼうなどの和食には食物繊維が豊富です。 食事の最初にこれらを食べると血糖上昇が緩やかになります。 カロリーの計算は難しいですが、普段の食事から100kcal減らすようにしましょう。 100kcalはご飯普通盛り半分、食パン半きれ、唐揚げ3個、バナナ1本程度です。 |
減塩 | 日本人の塩分摂取目標値としては男性7.5g、女性6.5g、高血圧のある方で6g未満となっていますが、まだ平均で10g前後摂取しています。 調理に際しては、だし、酸味、香辛料など塩以外で味付けをしたり、減塩の醤油や味噌を使ったりすると塩分量が減ります。 また、加工品は塩分が多いので、旬の素材を選ぶと味付けが少量で済みます。 なおカリウムは塩分の排泄を促進するので、カリウム含有の多い野菜や果物を多めにとるのは良いですが、腎機能が低下しているとカリウムが蓄積しますので注意が必要です。 |
適度な運動 | 毎日30分以上、または週180分以上のややきついと感じる程度の運動をします。 速歩(20分)、サイクリング(25分)、ジョギング(15分)、水泳(10分)が100kcalに相当します(体重60㎏の人の場合)。 それ以外にもエレベーターの代わりに階段を使ったり、一駅分歩いたりと、普段の生活に運動を取り入れるのも有効です。 なお、運動の際には脱水にならないように水分はこまめにとりましょう。 |
飲酒は適量に | 厚生労働省は節度ある適度な飲酒量として純アルコール20g程度と定義しています。 20gというのはビールなら中瓶1本(500mL)、日本酒なら1合(180ml)、ウィスキーならダブル(60ml)程度になります。 女性、高齢者、飲酒で顔が紅潮する方はより少ない飲酒量が推奨されます。 また寝酒は睡眠の質を下げるので避けて、週に2日は飲まない休肝日を設けるなどして、肝臓への負担を減らすようにしましょう。 |
生活習慣病に対するアプローチ
健康診断などで高血圧や高脂血症、高血糖(糖尿病)を指摘された場合、まずは適正体重(BMI:22)もしくは普通体重の上限(BMI:25)を計算し、それを目指して運動や食事療法を進めていきます。
またそれ以外にも禁煙や節酒、適度な休息・睡眠時間の確保など生活習慣を見直します。
必要に応じて頸動脈超音波や血圧脈波検査で、頸動脈や下肢動脈などの全身の動脈硬化や閉塞の有無を評価します。
また動脈硬化が進行し全身の臓器に影響が出ているようであれば、頭部CTや胸部レントゲン、心電図、心臓超音波検査などを行い、脳卒中や心筋梗塞の有無を確認し、再発予防、治療に役立てます。
3-6カ月の食事や運動療法で大きな改善がない場合は、内服での治療を検討します。
生活習慣病の原因は、生活習慣以外にも年齢、性別、既往歴、ホルモンバランス、遺伝子など個々人によって異なるので、それらを考慮に入れ適切な薬剤を選択します。
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